【開催主旨3】差別と偏見について

開催主旨より

【開催主旨3】差別と偏見について

手記 北澤 裕美子

2016年7月、 障がい者支援施設、 神奈川県立津久井やまゆり園の元職員による入所者殺傷という戦後最悪の悲惨な事件が起きた。 警察は犠牲者全員を匿名で発表した。 通常は被害者を実名で発表するが、匿名にした理由は「遺族の強い要望」としている。 このことは「日本では、全ての命はその存在だけで価値があるという考え方が当たり前ではなく、優生思想が根強いため」と説明する被害者家族もいたという。 当該犯人は「障がい者は不幸しか作れない。いない方がいい」という。 何もできない人は生きる価値がないという障がい者への差別意識が根強い。 中央省庁での障がい者水増し問題やらい病患者の長きにわたる隔離政策からも優生保護法の観点からも、当該犯人だけでなく、世間には障がい者への偏見という本質的な課題が潜んでいると感じる。 実際、私が自営のうどん店にて就労できるまでのお手伝いをしてきた軽度の知的や発達障がいの保護者からも、障がい者手帳を取得することを拒否する方がたり、自分の子どもに障がいがあることを世間に知られたくないという気持ちがあった。それらは、社会の根深い差別や偏見を恐れてのことである。 このように、障がいに対する差別や偏見が根強いため、障がい児がいる家族の精神的、経済的な負担も大きい。「かわいそう」という健常者の偏見から、障がい児の親たちだけでつながっている場合も多く、偏重し、故に我が子の可能性の幅を狭めてしまっている現状もある。

憲法第十三条には、「すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とある。 しかし、実際には障がい者の就労状況をみても、障がい者を受け入れる企業は増えてきてはいるが、法定雇用率を達成している企業は半数というのが、その証拠であろう。 法定雇用率を満たしていない場合、ひとりにつき、罰金が月5万円であるが、効率性、生産性が悪く、面倒な障がい者を雇うなら、罰金を払った方がましという考え方の企業もある。 一般就労できた障がい者に、「仕事が遅い、ミスをする」を原因とした、社員からのいじめも常態化しているケースもあり、コミュニケーションがうまくできないと仲間はずれにされるなど、せっかく就労できても、定着できないという課題もある。 就業環境には、若年労働者および非正規雇用において、ブラック企業の問題もある。 私が調査した結果であるが、障がい者を雇用した場合、報奨金が出るが、その助成金が切られると戦略的に自主退職させ、新たな障がい者を雇用する企業もあった。 それら制度をうまく利用している、将にブラックな現実もある。 障がい児を持った親は、自分の子が苦労せずに働いて自立することを望んでいる。 これら差別や偏見をなくしていかなくては、障がい者の方の就労環境は良くならない。

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