フォーラムへ寄せられたメッセージ

フォーラムへ寄せられたメッセージ

第一回重度障がい者社会支援フォーラムによせて、多くの方や企業様からメッセージをいただきました(順不同)。

皆様には以下の質問をさせていただいております。 ①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか? ②「働く障害者」の課題は何でしょうか? ③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

NPO法人FDA(神奈川県川崎市)

理事長 成澤 俊輔

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

神奈川県川崎市で就労移行支援事業所を経営しており、約70名の就労困難な方の居場所作り、職業訓練、定着支援を行っています。 その他には全国の企業の障がい者雇用のコンサルティングや地方自治体における地方創生のアドバイザーなどを行っています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

職業経験の少なさや閉鎖的な環境での教育を受けてきていることが多いため、障がいを持つ本人が自身の弱みや強みを把握できていないことが課題です。 また家族・専門家・支援者以外の人を頼ることに抵抗感があることが多いです。 加えてITツールなどを活用する機会が少ないことやその利用方法を学習する環境も整備されていません。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

私は経営者という職業に出会えて人生が前進したので、障がいを持つ人たちの職種の選択肢を増やすことに加えて、経営者やリーダーのような生き方ができる障がいを持つ人が増えることを願っています。

NPO法人FDAの就労写真1
NPO法人FDAの就労写真2
NPO法人FDAの就労写真3

株式会社サイゼリヤ

総務部チャレンジド雇用管理本部 山岸 健央

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

弊社は店舗雇用を前提としているため、200箇所以上の分散型雇用です。そのため、店舗責任者への教育・啓蒙、チャレンジドへの不安の払拭などに注力しています。

  1. 本社に「チャレンジド雇用管理本部」を設置し情報の一元化
  2. 出身学校、地域支援機関を交えた就労前の申し送り(就労移行支援会議)
  3. 入社後~3年までの定着支援(管理本部による雇用店舗巡回訪問)
  4. 店舗責任者向け研修会の開催

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

コミュニケーション=意思疎通だと思います。その中で一番大切なのは「挨拶」と「返事」です。 これは店舗の一員として、仲間として働く上での協調性の一歩です。 そして毎日決まった時間就労できる継続性、この2つが基礎となり、作業習得はその次です。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

飲食・サービス業の人不足は深刻です。障害者雇用はこれから注目されるのではないでしょうか。 一方で企業は障害者に対して、ただの単純労働者ではなく、「やりがい」の持てる仕事の提供が必要だと思います。 個々の強みを発見し、それを伸ばせる企業の環境が求められます。 障害者雇用を通じて、様々な人材を受け入れられる許容性が企業に培われ、ダイバーシティ経営に繋がるのではないでしょうか。

株式会社埼玉トヨペット(埼玉県)

社会貢献課 課長 轟 和宏

メッセージ

埼玉トヨペットでは、埼玉県内のU-Car店にて就労実習を受付ており、社会知識の習得をサポートしております。 2108年度は総勢30名の方を受入れ、その中から数名雇用をしますが、企業就労へのミスマッチを防ぐために何回も実習を経験していただきました。 障がいのある方が社会で働くことによって、企業も助かるし、皆さんが納税者になる事で社会に貢献ができます。 皆さん頑張ってください。

埼玉トヨペットの就労写真1
埼玉トヨペットの就労写真2
埼玉トヨペットの就労写真3

株式会社グローバルクリーン(宮崎県日向市)

代表取締役社長 税田 和久

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

弊社では、創業19年前から、障がい者と一緒に働いていますが、障がい者としての関りではなく、チームの一員として、一般社員と同じように接しています。 特別な支援はしていませんが、体調面などの配慮ぐらいでしょうか。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

障がい者雇用を促進しています企業側が良くても、家族や地域社会の理解が進まないと、地域社会の中で働く障がい者は増やせないと最近、実感しています。 さらに、福祉サービス事業所さんなどの福祉関係者も障がい者が働くことにブレーキをかけているような気もします。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

企業や地域社会で障がい者が当たり前に働く社会になれば、企業側にとっては、人手不足の解消や生産性向上(仕事の細分化や分業が一般社員にも効果的になる)、障がい者にとっては、働きがいを持って、社会の一員となれる。行政にとっては、財政負担の軽減や思いやりの地域社会づくりに貢献していく。

④障がい者の工賃向上への取組み

6年前、宮崎県内の障がい者福祉サービス事業向けに「障がい者でプロフェッショナル清掃を実現する」勉強会を立ち上げました。 1年目400万円(1事業所)の売上から6年目約3,500万円(5事業所)まで伸ばすことが出来ました。 現在、OJT,OFFJTを交互に年8回のペースで勉強会を開催しています。

株式会社グローバルクリーンの就労写真1
株式会社グローバルクリーンの就労写真2
株式会社グローバルクリーンの就労写真3
株式会社グローバルクリーンの就労写真4

有限会社村田商会(埼玉県志木市)

代表取締役社長 村田 敬吾

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

清掃技術を教える予定です。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

皆様がもっと働く喜びを感じられる社会になること。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

プロのお仕事が出来るようになること。

四国管財株式会社(高知県)

代表取締役社長 中澤 清一

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

  • 温情で無い就労 保護より働く機会を念頭に支援でなく戦力として採用をしてます
  • アビリンピックや障がい者スポーツなどの参加支援(H18年度 アビリンピック高知県初入賞 福井国体障がい者 卓球 準優勝)

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

当社は受託物件で就労する機会が殆どです。 本社なら容易いのですがお客様の建物での就労になるのでお客様の理解が必要です。 2001年時では有るお客様に就労を打診しましたら「障がい者は勘弁して」とお断りされました。 お断りした方が悪いのではなく社会活動が足らないと思い、2002年に高知青年会議所にてチャレンジド委員会を立ち上げ、新しい形の就労の仕組み創りをスタートしました。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

期待はしない会社でして信頼をしています。 「働く方のメリット」

  • 障がいを持った方が働く場ができ所得も得られ 働く事でしか得られない人の役に立つ喜びを味わってもらう
「会社のメリット」
  • 障害を持った方と関わる事により会社全体が暖かくなり高齢者・介護世代・子育て世代引きこもり・生活困窮者・ 学生・同僚に優しくな り様々な方が気兼ねなく当たり前の様に働ける
  • スタッフのお子さんやお孫さんで障がいを持ったご家族が居た場合の就労先になり将来に光が見える
  • お客様の障がい者就労の具体的なアドバイスが可能になる

④障がい者雇用への取り組み

仕事は夢実現の手段 雇用は目的 大切にされた社員さんはお客様を大切にしてくださり、仕事も熱心にしてくれて、結果的にお客様を始め第三者にご評価頂ける様になってきました。 現在12名雇用4月から1名新卒者が入社 8名 清掃作業 3名 現場後方支援(モップ洗い作業 洗濯 タオル干し 道具準備) 2名 本社作業(タオル干し ウエス切断 切手貼り タオル&社内報&ビニール折り畳み ゴミ解消 笑顔の実践) 社会保険取得者11名 パート2名

株式会社ベル(大阪府)

代表取締役社長 奥 斗志雄

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

  • 思いやりの気持ちを以て、接する。
  • その人の特性や能力に応じてできる仕事を見つけ任せる。
  • 仕事の進捗を、まめに確認してサポートする。
  • 就職後も、就労支援企業との密な連絡で、サポートする。
  • 障碍者就労支援事業所への協力、就労体験受け入れる。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

  • 季節の変わり目に、精神状態が不安定になる。
  • 家庭での事柄に、影響する。
  • 就労移行期間に、頑張りすぎてうまくいかない。
  • 素直に正直に報告をする

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

  • 毎日イキイキと、働く喜びを感じ成長してもらいたい。
  • 働いて、自立して生活ができるようになってもらいたい。
  • 人とのコミュニケーションが取れるようになり、仕事が円滑にできるようになってほしい。
株式会社ベルの就労写真1
株式会社ベルの就労写真2
株式会社ベルの就労写真3

新日本ビルサービス株式会社(埼玉)

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

自ら判断しなければならないことが少なくなるように、やり方については紙・動画でマニュアルを作成し、 道具についても混乱を防ぐために、原色での色分けやラベルでの識別を心がけています。 また、実際に障害者の方が働いている清掃現場では、各人のできることに合わせて作業項目の振り分けや作業スケジュールの変更を行なっています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

私たちの業界では、社内ではなく社外──お客様の建物で働くことになるため、まずはお客様にいかにご理解いただくかが重要です。 また、一緒に働くパートスタッフの入退職が頻繁にあるため、常に仲間全員に理解してもらうのが難しいと感じています。 障害者と障害を持たない人の間の人間関係では、仕事内容の違いによる衝突よりも、精神的・感情的な衝突が多いように感じています。 違った特性を持つ人相手の心の持ち方に関する、両者に対するケア方法も課題です。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

障害者の方は得手不得手がはっきりしていることが多く、働いてもらう際には得意なことに集中してもらうのが当たり前とも言えるほどです。 障害者が働くことが当たり前になった時には、この「得意な分野で力を発揮してもらう」という考え方が、障害を持たない人に対しても広がり、それぞれの人が生き生きと働く世界になることを期待しています。

株式会社ワタナベ美装(京都府京都市)

代表取締役社長 渡邉 真規

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

雇用しているスタッフには、本人の希望する出勤日、時間帯を考慮しています。 来年度から、B型事業所さんと組んで小学校のトイレ清掃を行います。 プロの清掃を指導員さんに指導し、障がい者の方にプロの清掃をしていただきます。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

弊社では、今まで雇用してきた方は精神障害の方が多く、公的支援機関とつながっていない方も多いので、なかなか定着していません。 定着できる仕組みづくり、支援体制の構築が課題です。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

様々な工夫がなされ、障がいの有無にかかわらず、働きやすい職場環境が実現する。 障がい者が働くことが、当たり前になる社会。

株式会社ワタナベ美装の就労写真1
株式会社ワタナベ美装の就労写真2
株式会社ワタナベ美装の就労写真3

きものブレイン(新潟)

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

  • 障害者支援委員会を設置して、少数の専門家ではなく大勢の素人集団で支援しています。 具体的には知的・精神支援チーム、聴覚支援チーム、車椅子支援チーム、身体支援チームを作り、チームでサポート体制を築いています。
  • 企業内ジョブコーチを2名配置しています。新入社員にはジョブコーチを付け、職場定着しやすい環境作りを行っています。 また、入社後の悩みや問題などにも対応しています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

平成元年に障害者雇用を始めてから31年目ですが、障害者の高齢化と能力の低下にどのように対応するかが課題です。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

障害者が働くことで回りの一般社員がいい刺激を受けます。弱い立場の人を徹底的にサポートする社風になります。 まだ障害者雇用をしたことのない会社もぜひ最初の一歩を踏み出して欲しいです。

きものブレインの就労写真1
きものブレインの就労写真2
きものブレインの就労写真3

有限会社戸田商行(高知県)

代表取締役社長 戸田 実知子

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

当社は、40年前から障害者雇用を行い、現在は3名の知的障害者が働いています。 彼らは、自らの手段で通勤し、担当の作業に従事し、自立した存在として会社の中で働いています。 当社では、就労の際に、適正に応じた業務内容の見極め作業を行います。 本人も納得した中で、担当業務が決まりますので、業務のミスマッチはほとんどありませんが、仕事への意欲が低下し、欠勤や、遅刻が続いた場合、家族や就労支援機関と連携を取りながら、根気強く支援をしています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

コミュニケーションについて、会社からの業務指示や、問いかけへの返答はありますが、障害者自身の表現方法が乏しいが故に、会社側の意向が伝わっているかの確認がとりにくいという課題があります。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

時間を守れること、目を見て挨拶ができること、返事ができることです。 以上の3項目は、障害者に限らず、社会生活を行ううえでの基本ですが、できない人も多く、採用の基本としています。 後は、本人に働く意思があることです。

有限会社戸田商行の就労写真1

株式会社ラグーナ出版(鹿児島県)

代表取締役社長 川畑 善博

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

鹿児島で、精神障害者30名と出版業を営んでおります。 仕事(支援)で大切なことは、社員の強みにあった業務内容と、体力に応じた勤務時間と考え、業務を細かく分けて配置し、月ごとに勤務時間を設定しています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

精神疾患はたくさんの定義がありますが、仕事との関係でいえば、 1)「疲れやすい病気」、2)「あせりやすい病気」、3)「相談が苦手な病気」だと考えています。 1) のためには、上手な休み方、集中力の爆発ではなく持続するためのコントロール技能の獲得、自分の体力にあった労働時間の設定、 2)のためには、安定した睡眠、スピードより正確さを基本姿勢とすること、 3)のためには、孤立しないことだと考えます。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

業務分解を行い、それぞれの役割を明確にしていくなかで会社全体の売上が伸びました。 また、それぞれの体力にあった勤務時間の設定により、障害に関わりなく健康に働ける職場となりました。 令和の時代は、ますます健康を重視した働き方、マイノリティが生きやすい社会の実現が求められるでしょう。 「障害のある人たちが働きやすい職場は、誰もが働きやすい」ので、みなさんの働き方をモデルとして、健康に働ける共生社会の実現を期待しています。

ぜんち共済株式会社(東京都)

代表取締役社長 榎本 重秋

メッセージ

弊社は障がいのある方に保険を提供する保険会社です。 全国に約45,000人のお客様がいらっしゃいます。 弊社の「権利擁護費用保険金」は障がいのある方が詐欺、金銭搾取、消費者被害などのトラブルや雇用の現場で「差別」があった際に、弁護士対応にかかる費用をお支払いするもので、「保険」 という立場から支援させていただいています。 また、弊社では軽度の知的障がいがある男性を雇用しており、主に書類のスキャン業務を担っていただいています。社外においては、中小企業家同友会に所属し、中小企業における障がい者雇用の促進等について情宣活動も行っています。 障がいのある方が自立した社会生活を営むためには、企業、支援機関、医療機関、ご家庭等が連携を図り、安心して長く働く環境を整備することではないでしょうか。 障がいのある方が、仕事を通じて社会参加し、役割を担い、自己実現を目指されることを期待しています。

毎日興業株式会社(埼玉県)

代表取締役 男 澤望

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

仕事をお願いする上で、一つの仕事を分割し、チェックポイントを複数に分ける事で、障害者側の感じる負担を軽減しつつ確認洩れを防いでいます。 また、障害が軽度の方に中度の方のフォローをある程度任せる事で、仕事にやりがいを感じてもらいながら本人の自信にも繋がるようにポジションを決めています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

現場においては納期管理が厳しく、サポートする者への負担が大きくなります。 仕事の割り振りの仕方、サポートする者の理解が課題となります。 また、お客様の理解がないと配置すら出来ないという点もあります。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

精神・身体の障害問わず、障害を持つ方だからこそ健常者では気付かないポイントに鋭敏であり、障害を持つ方が活躍できる職場環境が構築されていけば、他の社員の視野も広がっていく事と考えています。 そして、ゆくゆくはサービスの品質向上と採用における幅が広がっていく事で、企業が抱える問題の一つである人材不足の解消に繋がると思います。

埼玉県発達障害者支援センターまほろば(埼玉県)

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

本センターは、発達障害のある方(発達障害を疑われる方々を含む)やその支援をされる皆様からのを相談をお受けしております。 支援依頼があれば、地域の就労支援機関と共に本人が働く事業所や会社を訪問し、職場適応、定着支援に関する助言等の支援を行っています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

発達障害という点に焦点を当てての記載になりますが、最も大きな問題は、「発達障害」の障害特性の理解が、まだまだ進んでいるとは言えない現状があるということです。 職業能力は優れていて問題なくこなせるのに、職場内での対人関係やコミュニケーション、余暇のことなど職業行動以外の面で躓いて、不適応、休職に至ってしまう場合などもあります。 一言で言えば、「分かりにくく」、「理解されにくい」「誤解されやすい」障害ということが言えるのです。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

発達障害者支援法が示すように、発達障害者の障害特性の理解は国民の努力事項です。 発達障害者の人たちの抱える様々な困難さ、生きづらさについて、国民の理解が深まること、また、発達障害者も含め、更に「障害者が働くこと」が容易になるよう期待し、微力ながら務めを果たしていきたいと考えています。

ノーマライゼーション・教育ネットワーク(新井淑則)

埼玉県秩父郡皆野町立皆野中学校 教諭 新井淑則

経歴(新井淑則)

1961年生まれ 34歳で失明、養護学校や盲学校を経て、46歳で中学校へ復帰。 障害のある教師を支える団体「ノーマライゼーション・教育ネットワーク」代表。

著書:
  • 『全盲先生、泣いて笑っていっぱい生きる』(マガジンハウス)
  • 『光を失って心が見えた 全盲先生のメッセージ』(金の星社)

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

以前は教師が中途で障害者になったら、辞めるのがあたり前だった。 障害のある教師が継続勤務できるように、条件整備やメンタルサポートをしてきた。最近は、若い障害のある教師も増えてきた。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

人的物的の合理的配慮の充実。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

「学校は社会の縮図」様々な人がいて社会。 障害のある教師がいるのも、あたり前の社会。 それが、思いやりの心や差別を許さない心を育てると思う。

和響座

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

和文化体験をハンデのあるなしに関わらず体験していただくことで「障がい」というボーダーをなくし、それぞれの違いを楽しみながら自己向上へと繋がっていける流れを作ろうと思っています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

ハンデのある方が実際に働かれている様子を見ることや、周囲の理解を深めるコミュニケーションの場が少ないことも課題の一つと考えます。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

障がいをもった方が働くことにより社会の障がい者への理解が深まるだけでなく、LGBTの方なども含め、より多様性を認め合える社会になることを期待しております。

一般社団法人 ありがとうショップ 砂長美ん

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

2013年から障害者施設の商品の企画、販売、営業、販売をしています。 一般社団法人 ありがとうショップ 代表理事 発達障害当事者の砂長美んです。 ぜんち共済、ヴァルトジャパンの顧問。 全国講演会、セルプセンター講師、工賃アップ講師、国会議員会館、九州美術館、奇石博物館、侍ミュージアム、 ほか多数の場所で 観光土産を障害者施設で作る事が得意。 2019年7月オープン、障害者、ガンサバイバーの働く中央区月島のミュージアム運営を目指してます。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

当事者も甘えから脱却して、自立すること。 支援サポートというのではなく、アドバイザーであること。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

当たり前に、コンビニに勤務していたり、当たり前に、受付担当にいたり、普通になる事が期待です。 社会は、全ての人を必要としていると思います。

ありがとうショップ写真1
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ありがとうショップ写真5

一般社団法人 こどもになる 瀧 幸子

2020年7月20日一般社団法人こどもになるスタート。 それぞれの分野で活躍する仲間と共に設立しました。 児童発達支援・放課後ディーサービスル・クッカー私の「誰かを1人にしない活動」を応援してくれるのは福祉関係者だけではありません。それが、心から嬉しく大きな可能性を感じています。 2017年12月より、児童発達支援・放課後等ディサービスルクッカーの責任者も兼任しています。

朝日雅也(埼玉県立大学副学長)

経歴

埼玉県立大学保健医療福祉学部社会福祉子ども学科教授。 障害者就労支援の実践を経て、1999年度から埼玉県立大学勤務。 障害者の就労支援やディーセントワークの実現を探究。 日本職業リハビリテーション学会会長、埼玉県障害者差別解消地域支援協議会会長等を兼務。

共編著:
  • 『就労支援』(ミネルヴァ書房)2010年
  • 『障害者雇用における合理的配慮』(中央経済社)2017年
  • 『共に生きるための障害福祉学入門』(大月書店)2018年 他
朝日雅也学長

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

大学の教員ゆえ直接的な支援は担っていませんが、就労支援や職業リハビリテーションに関する教育研究を通じて、障害のある人が働くことを支援している自負はあります。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

必要な支援を受けながら、合理的配慮の提供を的確に求めていくことだと思います。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

障害のある人の働くことの改善を通じて、労働の世界そのものを変革していくことです。

中島 隆信(慶応大学教授)

経歴

1960年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。同大学経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。 2001年より慶應義塾大学商学部教授。これまで経済学の思考法をさまざまな分野に応用し、新たな視点を提示する多くの著作を発表している。

著書:
  • 『新版障害者の経済学』(東洋経済新報社)
  • 『大相撲の経済学』(東洋経済新報社)
  • 『刑務所の経済学』(PHP研究所)
  • 『経済学ではこう考える』(慶應義塾大学出版会)など

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

直接の支援ではありませんが、著作、講演、講義を通じて経済学的視点からの啓蒙活動を行っています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

障害者就労を実現するためには一定のコストがかかります。そのコストを企業、当事者、福祉、行政がどう分担し、障害者雇用を実現しやすくするかが課題です。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

障害者の就労を通じて、社会全体の働き方が変わることを期待します。

影山 摩子弥(横浜市立大学都市社会文化研究科教授/横浜市立大学CSRセンター長)

経歴

静岡県浜北市(現 浜松市)に生まれる 早稲田大学商学部卒 2006年 横浜市立大学CSRセンター長、現在に至る。 2009年 横浜市立大学都市社会文化研究科教授 現在に至る 専門は、経済原論、経済システム論、地域CSR論。 研究・教育の傍ら、海外や日本国内の行政機関、企業、NPO・NGOなど様々な組織からのCSRの相談にも対応している。 また、自治体が運用するCSRの認定制度として注目を集める「横浜型地域貢献企業認定制度(横浜市)」「宇都宮まちづくり貢献企業認証制度(宇都宮市)」や、業界単位では初 めてのCSR認定制度である「全日本印刷工業組合連合会CSR認定制度」の設計を担い、地域および中小企業の活性化のための支援を行っている。

著書:
  • 「なぜ障がい者を雇う中小企業は業績を上げ続けるのか?」(中央法規出版)
  • 「地域CSRが日本を救う」(敬文堂)
  • 「世界経済と人間生活の経済学」(敬文堂)
  • 「CSR経営革新」(共著、中央経済社)
  • 「横浜の産業と街づくり」(共著、学文社)など

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

障がい者がやりがいを持ち、良い就労環境で仕事を続けるための要件について研究し、職場環境や就労継続に大きな影響を与える企業に対して発信するという方法をとっています。 具体的には、企業での就労を念頭に、障がい者雇用が持つ経営的な意味と、それが生ずるメカニズム、そのメカニズムを利用して経営的な意味を引き出す方策を講演やセミナー、コンサルティングで伝えています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

障がい者側の課題と解します。 「課題」は、解決されるべき困り事と言えますが、障がい者に帰せられるべき課題はあまりないような気がします。 障がい者雇用はダイバーシティ経営につながります。働きにくさは健常者も抱えており、障がい者雇用は健常者にとっても働きやすい職場を作ります。 つまり、障がい者が持つ課題と思われているものは、経営のメリットに転換すれば、課題ではなくなります。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

障がい者にとって働きやすくやりがいのある職場は、健常者にとっても同様である傾向があり、それが業務パフォーマンスの向上や生産性の改善につながります。 つまり、障がい者雇用は、ワークライフバランスやディーセントワークが充実した職場を作り、それによって業績が改善されるので、さらに取り組みが進むという好循環を生む可能性があります。このような社会の形成を促すことを期待しています。

小川 敬之(京都橘大学)

経歴

2016年宮崎大学大学院 医学系研究科 博士課程単位取得満期退学  医学博士 健康科学部 作業療法学科教授

研究課題(テーマ)

  1. 認知症の生活行為の科学的分析
  2. 地域共生社会に向けた地域づくりへの取り組み(公共図書館との連携)の実戦と学生への地域リハ実践の機会の提供
  3. 社会的弱者の就労および社会参加のサポート
著書:
  • 『認知症ケア用語辞典』 ワールドプランニング (共著)
  • 『認知症の作業療法 ソーシャルインクルージョンをめざして(第2版)』 医歯薬出版株式社
  • 『認知症訪問看護』 中央法規 (共著)
  • 『精神科ナースのための認知症看護』 中央法規 (共著)
  • 『作業療法を創る』 青海社 (共著)

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

まず何がしたいか、どのように働きたいかの思いを聞きます。そのうえで、その職場でできる事、難しいこと、やってもらいたい事などの情報共有をしっかりとすることを行います。そのうえで、実際に稼働してもらい、できること、難しいことのすみ分けを丁寧に、ゆっくりと行っていくことだと思います。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

障害特性があるので、一概には言えないと思いますが、働くことで給与をもらう仕組みに障害も健常もあまり関係ないということです。ただ、既存の企業には障害特性に合わせた働く環境の整備や道具の整備・準備、偏見に対するサポートなどを行う人(専門職なども含む)があまりいないという現状があると思います。 ノルマをこなすのは「働くことで」で当たり前のことですが、そのあたりの企業側の配慮なしにはこのことは言えないと思います。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

障害を持っていても、または高齢者であっても環境整備や既存の仕事の中身の精査によりできることはたくさんあると思います。しかし、障害特性や体力の問題で健常者と同じように働くことができないこともあるかもしれません。 そんな時には休養やケアを受ける(社会保障の需給)、でも元気な時には働いて税金を落とす(納税者)。 そうしたハイブリットな働き方ができると、膨らんでくる社会保障費の削減、納税による社会への還元ができ、その余剰分で子育て、食育、教育に予算を回すことで、「障害」「高齢」が日本の未来を創ることになる。 日本や世界の少子高齢化にインパクトを与えることができると思います。

石原 次郎(東洋大学教授)

①「障害者が働くこと」を、どのように支援しているのでしょうか?

私は大学教員として教育に従事しています。 支援活動は行なっていませんが、在学生で生活や社会からの受け入れなどに困難や壁を感じる人たちの、卒業後の進路について共に考えて一緒に道を探すというお手伝いをしています。

②「働く障害者」の課題は何でしょうか?

私が感じる大きな課題は、障害を持っていないと思っている人たちの無関心です。 人に興味を持つ人を育てること、これが私が頑張っているところかもしれません。

③「障害者が働くこと」へ期待していることは何でしょうか?

経済的な不安が、障害を持つ人からも、障害はないと思う人からも、なくなることです。

重度障がい者社会支援フォーラム