【開催主旨2】障がい者就労と労働環境

開催主旨より

【開催主旨2】障がい者就労について

手記 北澤 裕美子

障がい者就労について

就労継続支援B型施設に生涯専住する場合、障害年金(月65,000円)と工賃を合わせても、自立して生活することは難しい。 しかも、支援学校卒業後、40年超施設にて生活すると、試算で、障害者1人に対して、1億5000万円超の税金が使われる。それらが、一般就労できれば税金を払う側になり、財政面でも、効果があると推計される。 近年、特例子会社ほか、障がい者を受け入れる企業も増えてきている。 しかし、一般就労できる方は、まだまだ少ない現状である。それらには課題も多く、事実を知らされないでいる。 まず、工賃アップをすること。 このことに重点的に取り組む困難さは各現場から上がっている。 ただ、工賃は、障害者が就労し時給として受け取る原資であり、最重要課題とも言える。

次に、生きがいを持って働ける、一般就労に結びつけること。 特に、精神の方の就労は、就労環境においても、とても厳しいものがあり、進んでいない。  特例子会社の多くは、健常者と一緒にやりがいを感じられるような仕事とは程遠く、障がい者だけを集めて、単純作業のみをさせていたり、3K(きつい、汚い、危険)と言われる仕事を担ったり、人として大切にされ、やりがいを感じて、一生続けていきたいと思えるような仕事とは言いがたい会社も存在する。

また、これまで障害者雇用促進法で雇用を義務付けられていたのは身体・知的障がいの人のみであった。 2006年改正では、企業の雇用率の計算の時に精神障がいの人も含めてよいとされ、精神障がいの人を企業が雇用する義務はまだ定められていなかった。 ようやく、2018年精神障がいのある人も企業での雇用が義務付けられることになった。 精神障がいのある人の雇用は順調に増えているが、厚労省発表の2016年障がい者雇用状況によると、精神障がいのある労働者は短時間勤務も含め42,000人余で、障がいのある労働者全体の8.9%に留まっている。 法定雇用率は改正されているが、障がい者求人で就職した場合、1年で約3割、一般求人(障がい開示)の場合は、約5割の方が職を辞めている現状もある。

一般就労できても、3年以上継続できている障がい者は3割程度である。 また社員が障がいに対する知識が少ないために、理解されず、いじめられることもあり、人間として扱われない現状に、うつや精神疾患の2次障害を引き起こし、退職に追い込まれることの報告もある。 また退職後、地元の障がい者施設に戻りたくても、既に定員が過ぎて帰所できず、家で引きこもりになっている障がい者もいる。 安心して働ける会社を増やし、障がい者が生きがいを持って、いきいきと働ける環境つくりが必要であると感じている。 特別支援学校を卒業したら、施設に入所することが当たり前と思う風潮にも警鐘を鳴らしたい。そのため、一般就労を考えている本人も保護者も少ない。通所施設で働いている障がい者の給料は「1万円まで」という現実が70%では、到底、経済的にも自立はできない。彼ら彼女の保護者、両親亡き後、自立できない我が子を按じ、その人生に強い不安を抱えている。

労働環境について

長時間労働が慢性化し、ブラック企業と呼ばれる会社も多い。不安定で低賃金の非正規雇用が多いことも問題である。 有給休暇の未消化やサービス残業も常態化している。 その傾向は、30代、40代の子育て世代で著しく、長時間労働は、仕事と家庭の両立だけでなく、家庭生活や社会生活をも貧しいものにし、すべての人の幸せにも影響している。 働くことは、人の役にたち、人に必要とされることである。 自分の存在、仕事が社会に貢献しているとの認識があれば、仕事へのやりがいも強いものとなる。 安定した雇用環境が、働く意欲を引き出し、生きがいを感じ、人としての幸せにもつながる。   このような社会的背景から、雇用や雇用環境の安定が重要である。「働き方改革」法案が国会を通ったが、今後、どのように機能していくのか、見守りたい。

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